光を輝かせる

「そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かせなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、天におられるあなたがたの父を崇めるようになるためである。」 (マタイによる福音書5章16節)
 ある日、6歳の男の子スティーブンは、母親から悲しい知らせを聞いた。お父さんが乗っていた客船が、台風で転覆し亡くなったというのだ。しかし、スティーブンは信じませんでした。「海軍出身のお父さんは泳ぎの達人。どこかに泳ぎ着いて、絶対に生きている」と。 しかし、父子で参加する学校行事で、自分の隣には父がいない。同級生たちが父親と笑い合うのを見ると寂しさがこみ上げてきて、その時、父を失ったことを実感したのです。そのスティーブンの心を支えたのは、人から伝え聞いた父ディーンの最期だった。沈没しそうな客船の中で、子どもたちの泣き声を聞くと、宣教師の父は得意のマジックを披露して周囲を和ませていたのです。ついに船が沈むその直前、日本人の子どもに自分の救命胴衣を着せた・・・それが父の最期だった。 アメリカから日本にやって来た宣教師ディーン・リーパーは、明るく元気で、心のやさしい人でした。戦争中、リーパーは日本語や日本文化を学ぶように命じられた。戦後はその力を買われて来日し、宣教師として活動することになった。彼は日本が大好きで、呼ばれれば小さな村にも出かけ、聖書の話をし、賛美歌を歌い子どもたちと遊びました。 1954年、青函連絡船「洞爺丸」に乗船した時、台風によって約1300人が乗り込んでいた船は転覆しました。リーパー宣教師は、子どもに自分の救命胴衣を着せ、33歳で命を落としたのです。 聖書の言葉「あなたがたの光を人々の前に輝かせなさい」は、「人に見せるために善い行いをしなさい」という意味ではありません。信仰をもって生きている人の歩みそのものが、自然と光となって現れ、見た人が、その人自身ではなく「神をあがめるようになる」ことを語っています。日々、神の愛で生きる、その生き様が、誰かの心を支え、神へと向かわせる光となるのです。
《祈り》神さま、日々の生活の中で、あなたの光に生かされて歩んでいくことができますように。その生き方が自分のためだけでなく、誰かの支えとなれば幸いです。
牧師 和田一郎
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