影響は受けてもマネはしない

「あなたに何の関係があるか。あなたは、私に従いなさい。」 (ヨハネによる福音書21章22節)
「ボクは手塚治虫さんの漫画が好きだったけれど、模写したことは一度もない。」  宮崎駿さんは、子どもの頃に手塚治虫さんの『新宝島』を読み、強い衝撃を受けたといいます。手塚作品を高く評価し、その功績にも深い敬意を抱いていました。ところが、ある時、自分が描いた漫画を人に見せると「手塚治虫そっくりだ」と言われて、描きためた漫画をすべて燃やしたことさえあったそうです。(『宮崎駿の言葉』桑原晃弥著) 尊敬する人から影響を受けることは、決して悪いことではありません。私たちは皆、誰かの言葉や生き方から学びながら成長します。しかし、尊敬する人のマネをするだけでは、自分に与えられた道を見失うことがあります。 イエスさまに、弟子のペトロは質問しました。同じ弟子のヨハネを見て「主よ、この人はどうなるのでしょうか」と。ペトロとしては「自分と彼とでは、どちらが重い役割を担うのだろう?」という思いも、ヨハネを心配する気持ちもあったでしょう。しかし、自分の運命をほかの人と比べたいという、人間らしい思いがあったのだと思います。 イエスさまは「あなたに何の関係があるか。あなたは、私に従いなさい。」と答えたのです。「あの人はどうなるのか」と、私たちはつい他人の動向を気にします。しかし、神様は私たちを誰かのコピーとして造られたのではありません。一人一人に異なる賜物を与え、それぞれに歩むべき道を備えてくださったのです。 宮崎駿は、手塚治虫からの影響と格闘しながら、自分にしか描けないアニメーションの世界を切り開いていきました。大切なのは、誰の影響も受けないことではなく、良いものを受け取りながらも、誰かになろうとするのではなく、自分に与えられた道を歩むことです。私たちは尊敬する人から多くを学びます。それでも、最後に従うお方は人ではなく、イエスさまです。
《祈り》神さま、私たちは人と自分を比べ、気にしてしまいます。どうか、あなたが私に与えてくださった賜物と道を大切にさせてください。「あなたは私に従いなさい」との声を聞き、自分にしか歩めない道を歩むことができますように。
牧師 和田一郎
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