今、ここにある恵みを味わう
「主の慈しみは絶えることがない。その憐れみは尽きることがない。それは朝ごとに新しい。あなたの真実は尽きることがない。」 (哀歌3章22-23節)
この秋、ボーイスカウトの恒例行事となった「芋ほり」では、落花生も収穫されて、塩ゆでにして皆さんと食べました。これが実に美味しく、参加した保護者やリーダーたちの食べる手が止まりませんでした。かつて落花生は乾燥品ばかりでした。生の落花生は水分が多く、収穫から数日でカビが生えて傷みやすいため、畑で天日干しをしてから出荷するのが鉄則でした。掘りたての塩ゆでの落花生は、生産地に限られた「幻のごちそう」でした。品種改良と流通の発達によって、生落花生が流通したのは近年のことだそうです。 新鮮だからこそ美味しく、保存が難しい落花生は、旧約聖書に登場する “マナ"を思い起こさせます(出エジプト記16章)。荒野を旅する数十万人ものイスラエルの民に与えられた、天からの食べ物 “マナ"は、「その日の分だけ」集めるのがルールでした。翌日のためにと欲張って蓄えた人のマナは、翌朝には腐ってしまったのです。 この「その日の分だけ」というルールは、単に欲張ることを戒めるためではありませんでした。神の真意は、イスラエルの人々と「毎日の信頼関係」を築くことにありました。もしマナが数ヶ月も保存できたら、人々は神を忘れ、蓄えた量に安心したでしょう。神は、傷みやすく保存のきかないマナを通じて、「明日も必ず私があなたがたを満たす」という約束を、日ごとに体感させようとされたのです。それは、目に見える蓄えに頼る生き方から、目に見えない神に信頼して生きる歩みへの大いなる転換でした。 この出来事は、飽食と情報過多の時代を生きる私たちへの警告とも言えます。私たちは、明日の不安を打ち消すために、必要以上の物や知識を「蓄えること」に追われていないでしょうか?けれども、どれだけ多くのものを蓄えても、不安は解消されません。むしろ、溜め込んだものを守るために腐心して疲れてしまうのです。 掘りたての生落花生が、その時期にしか味わえない「ごちそう」であったように、神が私たちに備えてくださる恵みもまた、「今日」という日に最も新鮮な輝きを放つものです。今日を支えてくださった神様は、明日もまた、良いもので満たしてくださいます。その信頼のなかにこそ、時代に揺るがされない、豊かな安息があるのです。
《祈り》神様。明日の不安を溜め込もうとする私たちを赦し、今日与えられた新鮮な恵みへ目を向けさせてください。「朝ごとに新しくなる」恵みに、感謝して歩めますように。
牧師 和田一郎
ご感想は下まで(スマホ・パソコンの方向けです) forms.gle/EkE9N8gDaJQ7ee2L9
発行者名 高座教会 www.koza-church.jp/
この秋、ボーイスカウトの恒例行事となった「芋ほり」では、落花生も収穫されて、塩ゆでにして皆さんと食べました。これが実に美味しく、参加した保護者やリーダーたちの食べる手が止まりませんでした。かつて落花生は乾燥品ばかりでした。生の落花生は水分が多く、収穫から数日でカビが生えて傷みやすいため、畑で天日干しをしてから出荷するのが鉄則でした。掘りたての塩ゆでの落花生は、生産地に限られた「幻のごちそう」でした。品種改良と流通の発達によって、生落花生が流通したのは近年のことだそうです。 新鮮だからこそ美味しく、保存が難しい落花生は、旧約聖書に登場する “マナ"を思い起こさせます(出エジプト記16章)。荒野を旅する数十万人ものイスラエルの民に与えられた、天からの食べ物 “マナ"は、「その日の分だけ」集めるのがルールでした。翌日のためにと欲張って蓄えた人のマナは、翌朝には腐ってしまったのです。 この「その日の分だけ」というルールは、単に欲張ることを戒めるためではありませんでした。神の真意は、イスラエルの人々と「毎日の信頼関係」を築くことにありました。もしマナが数ヶ月も保存できたら、人々は神を忘れ、蓄えた量に安心したでしょう。神は、傷みやすく保存のきかないマナを通じて、「明日も必ず私があなたがたを満たす」という約束を、日ごとに体感させようとされたのです。それは、目に見える蓄えに頼る生き方から、目に見えない神に信頼して生きる歩みへの大いなる転換でした。 この出来事は、飽食と情報過多の時代を生きる私たちへの警告とも言えます。私たちは、明日の不安を打ち消すために、必要以上の物や知識を「蓄えること」に追われていないでしょうか?けれども、どれだけ多くのものを蓄えても、不安は解消されません。むしろ、溜め込んだものを守るために腐心して疲れてしまうのです。 掘りたての生落花生が、その時期にしか味わえない「ごちそう」であったように、神が私たちに備えてくださる恵みもまた、「今日」という日に最も新鮮な輝きを放つものです。今日を支えてくださった神様は、明日もまた、良いもので満たしてくださいます。その信頼のなかにこそ、時代に揺るがされない、豊かな安息があるのです。
《祈り》神様。明日の不安を溜め込もうとする私たちを赦し、今日与えられた新鮮な恵みへ目を向けさせてください。「朝ごとに新しくなる」恵みに、感謝して歩めますように。
牧師 和田一郎
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