つらい時には歌ってみる

「真夜中頃、パウロとシラスが神への賛美の歌を歌って祈っていると、ほかの囚人たちはこれに聞き入っていた。」 （使徒言行録16章25節）
　つらい時には歌ってみる。歌は心を動かし、勇気づけ、優しく包む力があるからです。 映画「サウンド オブ ミュージック」。山々に囲まれた緑の草原で、のびやかに歌を歌う主人公のマリア。子どもたちと躍動感豊かに歌う「ドレミの歌」。この物語はナチスドイツがオーストリアを併合して進駐してきた暗い時代でした。映画の中に「すべての山に登れClimb every mountain」という曲が歌われます。「すべての山に登りなさい、すべての川を渡って、すべての虹を追いかけて、あなたの夢をつかむまで」という歌詞です。人生は山もある川もある、山があれば山に登りなさい、川があったら川を渡りなさい。人生は止まらない、自分の愛を与え続けて、山を越えて川を越えなさい。」という意味だそうです。この歌は自由を求めて国境の山を越える映画のラストシーンでも使われています。戦争が忍び寄る暗闇のような中でマリアの愛は、歌を通して家族を一つにしました。 パウロが無実の罪を着せられて、牢獄に入れられた夜。鞭で打たれた痛みと不条理に対する恨みがあってもおかしくないのに、パウロは清らかに賛美歌を歌いました。希望を見いだせない牢獄生活をしていた、他の囚人たちはこれに聞き入っていた。彼らの心は賛美歌によって聖（きよ）められ、その後、パウロに従う者とされていきました。歌には力があります。賛美には力があり、神を喜び褒め歌うことは、力に満たされていくことなのです。
《祈り》神さま、私は祈れない日々が続いていました。あなたに心を向ける力がありませんでした。そんな時、賛美歌を開いて歌詞を見つめたのです。歌詞を口にしてみました。あなたを褒め歌う詞に励まされ、声にするとそこから力が湧いてきました。主よ、あなたを喜ぶことは力です。今日、賛美を口ずさむ力を与えてください。
牧師　和田一郎
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