聞く耳のある者は聞きなさい

「イエスはこのように話して、『聞く耳のある者は聞きなさい』と大声で言われた。」 （ルカによる福音書8章8節）
　北八ヶ岳の高見石という頂きに家族3人で登った。4歳の息子でも登れる片道1時間半ぐらいの気楽な登山だ。ところが、歩いてもなかなか登り道にならない。道を間違ってしまったのです。通りすがりの登山者は何人もいたが、ひたすら地図だけ見ながら「おかしいな・・・」と歩いていたのです。結局、妻が目的地の山小屋に電話をして登りやすいルートを教えてもらい、山頂で素晴らしい夕日を見る事ができました。 山小屋で寝る時に息子がおもむろに言った。「今日学んだこと～、人に聞くこと！」これには夫婦そろって驚きながら大笑い。そうです、私は人に聞くことができなくなっていたのです。登山前から心身ともに疲れていたことと、スタートが予定よりも遅れてしまったことで焦りがあったのです。いつの間にか心を閉ざしていったのです。聞く耳をもつということは、心の状態なのだと痛感しました。 　イエスさまは群衆に向かって「聞く耳のある者は聞きなさい」と言いました。繰り返し何度も言うのです。私たちは気をつけないと聞くことができなくなります。神さまのみ言葉を受け取ることができなくなるのです。それは自分の思いや考えが優先してしまうからです。イエスさまが「聞きなさい」というのは、ただ聞くことだけではなく、「言葉を受け取れる心の状態にありますか？」と問いかけているのです。聞く者たちの心を見てくださる神さまは、言葉を受け取る霊的な耳を求めているのです。
《祈り》これまで私は、御言葉を聞くことを大切にしてきました。しかし主よ、告白します。私は聞いている振りをしながら聞き流してきました。忙しく余裕がないのを言い訳にして・・・。でも今、十秒だけ心を静めます。お語りください。僕(しもべ)は聞いております。
牧師　和田一郎
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