【カンバーランド長老教会の歴史（アメリカ）について】 （信仰の基本シリーズ8）

全７シリーズ 　各３回　月曜-水曜
「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。御子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」 （ヨハネによる福音書3章16節）
　「おお！こんなにも救われる魂が起こされているのに、洗礼を授ける牧師がまったく足りない！」1800年代初頭、アメリカの開拓地ではリバイバル運動と呼ばれる信仰覚醒ムーブメントが広がり信仰をもつ人たちが増えていきました。 しかし、米国長老教会の指導者たちは、このリバイバル運動に批判的な態度をとっていました。一時的に高揚した感情による信仰にすぎず、彼らを指導するリーダ―たちは正規の神学教育を受けていなかったからです。 しかし、カンバーランド中会には、このリバイバル運動を支持する指導者が多くいました。「こんな大事な時に、ケンタッキーからわざわざ東部の認可神学校へ行っている時間はない。現場で学びなさい。馬の上でも神学はできる！」と。 さらに問題がありました。二重予定説をめぐる教理的問題です。「生まれる前から神が救われている者と、救われない者を定められているという教えを受け入れることはできない。私たちは求める者に、救いを告げるべきではないのか！」 そこで、ユーイング牧師、キング牧師、マカドウ牧師の三人の「新しいカンバーランド中会を立ち上げましょう！」という決断と献身の思いからカンバーランド教会は誕生しました。その後、テネシー州を中心として成長を続け、1889年のウースリー牧師按手によって米国の長老教会として初めて女性に按手を授けたことも注目されました。 ウェストミンスター信仰告白を改訂した1814年版のカンバーランドの信仰告白は「予定説」を否定し、人間の応答責任をより強調するものでした。さらに1984年版の信仰告白では「恵みの契約」のみを基盤とし、イエス様を信じる者は人格的な神との関係「神の家族」とされるという信仰理解となりました。その本質が ヨハネ福音書3章16節です。
《祈り》神さま、私たちの救いはイエス・キリストを信じることで、神の子とされることです。そこには、神の家族という関係の中で生きる、人間本来の生き方があります。神の愛は、私たちの希望です、それは失望に終わるものではありません。
牧師　和田一郎
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