ピノキオ

「ヨナが三日三晩、大魚の腹の中にいたように、人の子も三日三晩、大地の中にいることになる。裁きの時には、ニネベの人たちが今の時代の者たちと共に復活し、この時代を罪に定めるであろう。ニネベの人たちは、ヨナの説教を聞いて悔い改めたからである。だが、ここに、ヨナにまさるものがある。」 （マタイによる福音書12章40-41節）
　ある日、家族でディズニー映画「ピノキオ」を観ました。85年前（1940年制作）で戦争中の映画とは思えないほど素晴らしく、小学2年の息子も夢中で楽しみました。主題歌「星に願いを」と共に心に残る名作ですね。ピノキオが魚に吞み込まれるシーンは、旧約聖書のヨナ書がモチーフです。原作はイタリアの作家コッローディの童話ですが、物語全般にわたってキリスト教世界観に満ちた物語です。 　おもちゃ職人のゼペット爺さんは、あやつり人形ピノキオに魂を入れてほしいと星に願いました。すると天使が現れピノキオに魂を入れたので、爺さんは大喜びでピノキオを息子のように可愛がり、学校に通わせようとしましたが、学校に行く途中のピノキオを見つけた悪きつねジョンは、ピノキオを誘惑して芝居小屋の一味に売り飛ばします。 最初は芝居小屋のスター気分でしたが、だまされたことを知り天使に頼んで逃してもらいますが、また悪きつねジョンに誘惑されて極楽島へ遊びに行ってしまいます。ここで酒やタバコなど悪いことを覚えさせられ、ロバのような形相になり、家畜として売り飛ばされると知りあわてて逃亡します。ところが家に帰るとゼペット爺さんが愛するピノキオを探しに旅に出て鯨に呑まれていると、鳩の手紙で知りました。ピノキオは鯨を見つけ、鯨の腹の中で爺さんと再会しました。焚火をたいて煙にむせた鯨から飛び出して、爺さんはやっと海岸へたどりつきますが、ピノキオは壊れて死んでいました。しかし、天使が現れピノキオの勇気ある行動を讃えて、生き返らせて本当の人間へと変えられたのです。 ピノキオは、私たちの人間の姿です。神さまが素晴らしい者として私たちを創られましたが、自分勝手な生き方をしていました。それでも造り主ゼペット爺さんは見捨てることなく魚の中まで探しに来てくれました。自分勝手な私たちのためにイエス・キリストは十字架に架かられて三日のあいだ陰府にくだられました。ヨナが三日三晩、魚の中にいて、そこから生きて帰らされたのは、キリストの復活の予型（タイプ）なのです。
《祈り》主よ、イエスさまは私たち人間が自分勝手な生き方をしているにも関わらず、三日間、陰府にくだって復活されました。私たちの永遠の命は、その復活されたイエスさまを信じることで得られます。この新しい命に、あなたの赦しと愛があると信じます。
牧師　和田一郎
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